その頃舞台裏では、続いて行われる金粉ショウの舞踊団「セブンスター」がショウの準備をしていた。舞踊師の1人がベンジンを浸した松明を石油ストーブのそばに無造作に置いたところ引火、舞踊師たちは慌てて、ショウでの消火方法と同じように口で吹き消そうとしたが却って火勢は拡大、舞台の
緞帳に燃え移って一気に燃え広がった。火が大広間側から見えないように中幕を降ろして"隠蔽"し、
消火器などによる消火を始めたが、既にその段階では手をつけられない状態となっていた。異変に気づいた歌手小高が火を発見し「火事だ!」と叫んだため大広間にいた客は
パニック状態となり一斉に避難しようとしたが、
非常口が施錠されていたうえ、時間を開けずに全館停電となったため避難は困難を極めた。
当夜の宿泊客は、
松下電器系列の
茨城県日立市の販売会社に招待された団体客169人及び国鉄
石巻線佳景山駅と
日本交通公社石巻営業所共催企画の団体客48人となっており、そのほか他ホテルからのショウ見物客など78人をあわせ、火災発生時点で従業員以外の顧客が計295人存在していた。大部分の客は従業員の誘導により避難できたが、逃げ遅れた客はホテル南側1階階段下の売店付近や、パラダイスの非常口付近で固まって一部は黒焦げの焼死体となって発見された。また、相次ぐ停電のため
火災報知器のスイッチが切られていたこともあり、客室で寝ていて気づかず死亡した者もいた。さらには、新建材が発する有毒ガスによって
窒息死した者もいた。